おすすめの一冊(広報かみしほろNo.683)

概要

おすすめの一冊(広報かみしほろNo.683)の画像中森明菜 歌謡曲の終幕

平岡 正明

 第一章では「歌謡曲の終幕」と題して戦後日本の歌謡曲の流れについて綴られています。昭和21年頃から始まり、フランク永井、森進一、クールファイブ、藤圭子等の時代を経て、70年代後半の山口百恵、沢田研二、ピンクレディの時代が歌謡曲の最後の黄金期であったといいます。80年代以降は、日本の音楽界も多様化し、1989年に美空ひばりが亡くなったことで歌謡曲の時代が終幕したというのです。
 ひばりは笠置シズ子との対決で勝利し、その後は歌謡界の女王的地位を維持します。歌謡界には絶対的な存在が必要で、ひばりの地位を継承したのが山口百恵だといいます。しかし百恵は、ひばりの死の9年前に引退しているため、新女王空白の時代を経て、ひばりの死により歌謡曲が終幕したのです。
 著者は中森明菜を第二章で取り上げています。何故なら。80年代後半には歌謡界の女王の系譜が、百恵から明菜へと引き継がれる寸前であったからです。明菜が女王にならなかったことで、歌謡曲は完全に終幕したのです。


おすすめの一冊
 広報かみしほろの「としょかんだより」で毎月1冊紹介している書評コーナーです。


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