広報かみしほろの「としょかんだより」で毎月1冊紹介している書評コーナーです。
おすすめの一冊(広報かみしほろNo.675)
55 | 令和6年7月10日 19時 更新 |
概要
ラブカは静かに弓を持つ
安檀美緒
この作品は、2023年全国読書感想文全国コンクール課題図書となり、同年の本屋大賞では2位となりました。そして作者は、北海道出身の方です。
テーマは「音楽教室」と「スパイ」。なかなか結び付かないテーマかもしれません。ですが、この物語の元となったのは、2019年ころまで続いていた実際の裁判なのです。
その裁判は、音楽教室が日本音楽著作権協会に対し「音楽教室での演奏において著作権料を支払う義務はない」という訴えでした。その時、著作権協会は、音楽教室に職員をスパイをして通わせていたのです。
物語の主人公が働いているのは著作権管理団体。幼少期にチェロを習っていたということから、上司に音楽教室への潜入調査を命じられます。
タイトルの「ラブカ」というのは実在る深海魚の名前です。さくちゅハラハラする場面はありますが、物語は静かに進んでいきます。また著作権団体の存在意義や教室の先生対生徒の在り方についても考えさせられます。
暗い過去から一つの光を求め、チェロを奏でていく主人公の姿に、心を動かされました。
安檀美緒
この作品は、2023年全国読書感想文全国コンクール課題図書となり、同年の本屋大賞では2位となりました。そして作者は、北海道出身の方です。
テーマは「音楽教室」と「スパイ」。なかなか結び付かないテーマかもしれません。ですが、この物語の元となったのは、2019年ころまで続いていた実際の裁判なのです。
その裁判は、音楽教室が日本音楽著作権協会に対し「音楽教室での演奏において著作権料を支払う義務はない」という訴えでした。その時、著作権協会は、音楽教室に職員をスパイをして通わせていたのです。
物語の主人公が働いているのは著作権管理団体。幼少期にチェロを習っていたということから、上司に音楽教室への潜入調査を命じられます。
タイトルの「ラブカ」というのは実在る深海魚の名前です。さくちゅハラハラする場面はありますが、物語は静かに進んでいきます。また著作権団体の存在意義や教室の先生対生徒の在り方についても考えさせられます。
暗い過去から一つの光を求め、チェロを奏でていく主人公の姿に、心を動かされました。
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