おすすめの一冊(広報かみしほろNo.533)

このお知らせは1年以上前のものです

概要

にんげん住所録 (高峰秀子 著)

 ベストセラーになった斎藤明美著「高峰秀子の流儀」の出版以来、高峰秀子の作品が静かなブームです。

 高峰秀子が昭和を代表する大女優であることを否定する人はいないと思います。しかし、文筆家としての高峰秀子を知る人は意外と少ないのではないでしょうか。

 戦前に子役のスターであった高峰は、まともに学校に行くこともできませんでした。もし本との出会いがなければ文盲だったかもと彼女は語っています。

 本人も変な題名を付けてしまったと語っていますが、執筆当時にはすでに鬼門に入っていた人たちの思い出が書かれています。高峰本人が「にんげん」として尊敬し愛した人々です。

 読み続けるうちに高峰の人間性や歩んだ道がよくわかってきます。映画だけではなく文章でも人々を魅了する筆力を持つ高峰は、不世出の「女優」というよりも「人間」だったのだと思います。そして、高峰が道産子であることにもより親近感が増します。

 図書館ではこの本の他にも「にんげんのおへそ」「にんげん蚤の市」「巴里ひとりある記」などの高峰作品が読めます。


おすすめの一冊
 広報かみしほろの「としょかんだより」で毎月1冊紹介している書評コーナーです。


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